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本気になんかならない

第34章 & # 9 8 2 5 ;

帆澄の盗撮は一応、解決したとして。
つぎに、弟妹を図書館に置いたまま、俺が買い物に走り、ふたたび図書館でふたりを拾って帰宅。

帆澄に気にしてと伝えておいたのだけど、そのあいだ、北里は来なかったとのこと。

彼女は、年明けと言っただけなので、今日じゃないかもしれない。
それに今夕、店で会えるなら。

帆澄の言うように、俺が最近した約束といえば、結婚の約束しかないし。
それなら、俺が行かないと葬式になるっていう話もなんとなくわかる。

ということは、彼女の返事はOKで、
和史さんたちも祝福してくれているということ。

内心浮かれながら、自宅キッチンでハート型のスポンジケーキにチョコクリームを塗りたくる。

「サプライズパーティーなんだから、
兄貴は知らないふりをするんだぞ?」

「そうだよな」

できあがりは上々で、
妹も目を輝かせて拍手した。

「ハート型、可愛いー!
彼女さんにもすっごく喜んでもらえるよっ!
よかったね、お兄ちゃん!」

「うん。こんなにうまくできるなんて驚きだよ。
ありがとうな、ハニィも帆澄も」

ふたりにハートの切れはしで作ったミニケーキを渡して、俺は店に向かった。

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