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本気になんかならない

第35章 いつか

「箱、揺らさず迅速に届けろよ」

そう言われて、店を出て彼女の家に走る。
息をしずめながらインタホンを鳴らし。

「はーい」

と、奥から声が聞こえて安心した。

ガチャっとドアが開いて、彼女がそこにいて抱きしめたくなったけど、そこは迷う。

「紗波ちゃんは、奥?」

「ううん。今、兄夫婦の家で従姉と。
20時には、私もあちらにお邪魔するから。
早く来てくれてよかった、和君」

うん、俺も。早くに家を出てよかった。
やっと、会えた。。

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