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本気になんかならない

第35章 いつか

それでも彼女は、首を振る
うつむいたままで。

「ありがとう。でも、ごめんなさい。
ホント、わがままでごめんね。

ほかに、、結婚したいなって思える人ができたら、
そっちに行っていいから…」

「そんなこと、あるわけないじゃないかっ。
そんなこと、真剣に思ってるの?」

怒りがのぼった俺は、イスから立ちあがる。
俺が誰かと結婚してもいい、だって?

いったいどんな顔して、そんな酷いこと
言えるんだよ?

「北里…俺を見て?」

彼女に近づいた俺、
気丈なセリフとのくいちがいに
ハッとする。

彼女の肩が震えていて…。

「私たち、結婚するかしないかじゃなくて、
つきあうかつきあわないかで話をしたいの。

私は、和君とつきあいたい、好きだから。
和君は…どう?
和君の気持ちを聞かせて?」

尋ねる彼女の声が、
苦しそうでつらそうで

今にも泣きそうで

俺は自分の直感を葬った。
そんなに前の結婚が、よくなかったのか。。
つらい経験をいっぱいしたんだな。。

俺の気持ちは、、そんなの決まってる。

「そりゃあ、つきあいたいよ…大好きだよ」

無理に笑う北里に
今は時じゃないんだと

彼女を抱きしめた。

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