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本気になんかならない

第35章 いつか

ほかに彼女が、結婚を渋る理由…。
俺は静かな部屋を見渡す。

柔らかそうなマットが敷かれた一角に
おもちゃが箱いっぱいに入ってる。
紗波ちゃんがここで、遊んでる光景が目に浮かぶ。

「ねぇ、もしかして、紗波ちゃんのこと?
俺の家のことは、気にしなくていいよ?
両親はもういないし、弟と妹も喜んでくれてる。

俺、言ったろ?3人で家族になりたいって。
紗波ちゃんも含めて、北里と未来を進みたいんだから」

紗波ちゃんにとって俺は、、

大好きな母親を横取りする邪魔者であって
加えて俺は、そのあたり不器用だから

今すぐに打ちとけるなんて
難しいかもしれないけど

一緒に暮らして、何気なく会話して
困ったときに手助けできたら

いつの間にか父親になれるんじゃないかって
そのうち認めてもらえるんじゃないかって
そう、思ってる。

そんな考えは、甘いかもしれないけれど。

生まれた瞬間を喜びあった、
俺の字のついた女のコ…
可愛く思えないわけがない。

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