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本気になんかならない

第38章 ファーザークリスマス

***

私の子ども…紗波との生活が始まって、そろそろ3年目。

夜泣きの時期には、人間をやめたくなったりもしたけど、兄嫁や妹に助けられながら、なんだかんだといっても平和に過ごしていた。

保育園に預けながら、私は臨時の講師として働く。

お迎えにいったある日、父兄に声をかけられた。

「紗波ちゃんのお母さんですか?
私、紗波ちゃんと同じクラスの小川湖の父親です。息子と遊んでいただいて、ありがとうございます」

「いえ、そんなこちらこそ。いつも仲良くしてもらって…。今日はお仕事お休みですか?」

ちょうど湖君と紗波のふたりでブロックで遊んでいて、私たちが徒歩で帰ると知った小川さんは

「ついでの通り道なので、送りますよ」

雨も降っていたので、甘えることにした。

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