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本気になんかならない

第38章 ファーザークリスマス

***

約束の数分前、廊下に出ると、クルマはすでに停まっていた。
急いで階段を降りると、待っていた彼がドアを開けてくれた。

ふたりを乗せたクルマは15分たらずで、お店に着く。

駐車場から見えるのは、瀟洒な洋館。
こんな近くにお店があったなんて。

冬咲きの白いクレマチスが、お辞儀をしてるような小道を通って。
店内に入ると、ギャルソンがこなれた足取りですぐにやって来て、窓から庭が見渡せる個室に通された。

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