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本気になんかならない

第39章 幸せ所有格

そういえば、だいたいが強引。
私の気持ちなんて二の次の行動。

だからこそ、デキる経営者なのかもしれないわね。

すがりたくなったこともあったけれど、この人について行ったら私、軟禁状態のお飾り人形になっちゃう気がする。
それでも、子どもが幸せになれるならとも思うけれど、私が笑えない場所に紗波の幸せは、きっとない。

お茶漬けを勧めたくなった私は、ていねいな言葉づかいで不満を訴える。

「明日は朝から母のお見舞いに行くので、そろそろ寝る支度をさせてもらっていいですか?
寝不足だと私、車酔いしてしまうんです」

もう、お開きとばかりに掛け時計を見て、2人の食べかけのお菓子を脇へ寄せた。

こんな不作法女を妻に迎えたくないでしょ?
あなたなら、私よりもぐっと素敵な良妻賢母を買えるわよ。
だから、さようなら。

っていうアピールだったの。

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