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本気になんかならない

第6章 最後の夜

「マスター。これ、できました。
あの、申しわけありませんが…俺、用事で帰りましたって伝えてください」

マスターに預けた俺は、失敗グラスの中身を一気に飲みほす。
味なんて、もうわからない。炭酸が目にしみるだけ。

周辺を手早く片付けて、北里の反応を待たずに店の奥に引っこんだ。
着替えて、コートを羽織って、マスターへのお礼の品を事務机に置いて。
とにかく急いで裏口から出た。

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