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本気になんかならない

第41章 妹

「気候もいいから、歩いていくわよ。
和君は、怪我人でしょ?」

玄関のドアを開けながら、促したい俺はとっさに口走る。

「俺の怪我は、北里がいれば治るの」

とたんにキョンとした表情の彼女と、視線があう。

あれ?
俺、恥ずかしいこと言ったかも。

彼女の反応を待たずに、駐車場に歩きだす。
そんな俺の背中に彼女は示した。

「やっぱりよくないよ和君。
しばらくは安静にしてなきゃ」

「じゃ、歩いて送る」

どうしてわかってくれないんだよ?
俺は北里と居たいのに。

足を戻した俺は、彼女の片手をつかんだ。

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