テキストサイズ

本気になんかならない

第41章 妹

俺は明るく言ってみたけど彼女は、力ない声で話しだす。

「ずっと思ってたの。
和君と同世代だったらどんなによかっただろ、って。私は、和君には年上すぎるわ。

うちのアパートに来てくれたことあったでしょ?
あのあとに無記名の投書があったの」

「なんて書いてあったんだ?」

「子どもをよそに預けて、こそこそと若い男を連れこんでるって…教育者のくせにって…」

「っそんな、北里は何も悪いことないじゃないか。
それっ、近所のヤツか?俺が炙りだしてやる。
その紙、まだあるっ?」

紗波ちゃんは安全なお兄さんのところに預けてたし、前の男とはきっぱり別れてるんだし。
別に俺もこそこそと連れこまれたわけじゃない。
堂々と自分から入ったんだ。

それに、教育者のくせにって何だよ?
恋愛は自由だし、私生活まで肩書きに縛られなきゃいけないのか?

ストーリーメニュー

TOPTOPへ