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本気になんかならない

第42章 もうひとりの妹

「北里、本気で俺と結婚しようとしてくれてたんだね。そこは安心した」

さっきからずっと窓の外に目を向けていた彼女と、フッと目があう。
すぐに彼女は、逃げるように顔をそらす。

「振りまわしちゃってごめんね」

目をさ迷わせながら、ペコリと謝った。

「許さない。
そんな大切なこと、俺に黙ってるなんて。
ひとりで悩むなよ」

「ごめんなさい。
兄の反対だけが理由じゃないの。
本当につきあう時間なんて作れないから。
母も入院してるし」

彼女はうつむきがちにあとじさるけど、俺は負けじと話す。

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