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本気になんかならない

第42章 もうひとりの妹

「俺、何も知らないで能天気でごめんな」

沈んだ気持ちで、自分の鈍感さ加減を呪う。

メグは新しく彼氏ができたから俺の関係を切った、なんてずっと思っていた。
でも実際は、彼氏ができたわけじゃないのにメグは俺と別れて、北里も俺を敬遠した。

そりゃそうだ。
俺は仲のよい姉妹を引きさく危険因子。
避けられても当然…

「当たり前よ。苗字も違ったんだもの。
今日、話したのはね、責めるとかじゃないのよ?
和波君とお姉ちゃんがうまくいってほしいからよ?」

え?うまくいってって、でも…。

「メグは嫌じゃないの?」

「もう10年も経ってるんだもん。
それにね、和波君とつきあってるときは私、舞いあがってて気づかなかったけど、距離を置いてからわかったの。和波君の想いは、いつもお姉ちゃんにあったんだって」

「?…メグとつきあってるときは、メグを好きだったよ」

たしかに、北里と別れた寂しさをメグが癒してくれたとは思うけど、俺としてはメグしか見てなかった。そう思う。

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