テキストサイズ

本気になんかならない

第42章 もうひとりの妹

そのあとメグは、姉の再婚話を聞いたこと、相手が俺だとわかって驚いたこと、兄が反対したことなどを搔いつまんで話してくれた。
そして、言う。

「結局は別れたって聞いてたけど、なんか違和感あったのよね。
で、こないだ和波君が怪我したときに、大袈裟に伝えてみたら、あわてふためくし」

そうか、突然の北里来訪はメグからの情報だったのか。

「なのに、さっきもあんな態度だったでしょ?
私、思うの。お姉ちゃんには私、和波君とつきあってたことを話したりはしてなかったんだけど、知ってるぽい。ううん、きっと知ってる。

私がいきなり和波君が事故でって言ったのに、お姉ちゃんは不思議がらなかったし」

そうだったのか、北里が俺を避けるのは。


過去はもう、消せない…

俺がこれ以上、つきまとうと、北里にもメグにも迷惑…そんな状況だったなんて。

半分落ちかけの俺の意識を起こすかのように、メグは俺の背中をバチんと叩いた。

「和波君、わかった?」

「ん……ああ」

かろうじて俺は返事した。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ