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本気になんかならない

第42章 もうひとりの妹

病院まで戻った俺たちは、職員寮駐車場からポツポツと歩き話。
現在、入院中の大将が北里の父親ってことは、メグの父親でもあるわけで。

「お父さん、心配だね」

「うん……。」

大将の話をふると、急に言葉少なになったメグ。
両親が離婚されたんだ、複雑に思うところがあるんだろな。

そのまま会話なく、職員寮の前に辿りついた。

寮の入り口手前、暗証番号パネル前に立つメグ。

ふうん、看護職員寮か…と、物珍しげに俺は見まわす。
そして、病棟に向かう前にもう一度、お礼を言おうとしたところメグが喋りだした。

「去年、改築したからキレイでしょ。
でもね、たまに病院から呼びだしもらうのよ。
徒歩2分以内だから」

「たいへんだな、休みが突然消えるなんて」

彼氏とのデートが直前でキャンセルなんてことだってあるんだろな。

「がんばってるなぁ」

そう言った俺の視界をひらり、横切った。

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