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本気になんかならない

第43章 扉

「北里、一緒に帰ろう。したい話があるんだ。
メグに本日のランチの権利を譲ってもらったから」

俺が呼ぶと、足を止めた北里。
だけど依然、顔は戸惑うようにそっぽを向いたまま。

目をつむって息を整えるように呼吸した北里に、メグが言う。

「和波君となら、お姉ちゃん、幸せになれるって信じてる。もちろん紗波もね」

ニコッと笑ったメグは、「じゃ」と手を振って寮の奥に入っていった。

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