テキストサイズ

本気になんかならない

第6章 最後の夜

ふたりベッドに転がって、彼女は俺の胸をなぞる。

「柔道習いだしたの?」

「うん。弟がね、ガンガン蹴ってくるんだ。まともに食らうと結構痛いし。だから、かわしかたを身につけたくて。したら、部活後でも柔軟と体力づくりが日課になっちゃって」

「和君がやられてんだ」

「だってあっちは加減知らないから」

「そうなんだ。最近やけにムキムキになってきたからびっくりしたよ」

「気持ち悪い?」

「これくらいがちょうどいい!ね、お姫様抱っこして?」

「えー?今夜はもう俺、疲れたよ。じゃあ、つぎに会う誕生日にね」

来年まで北里と続いてるなんて、俺は思ってないけれど。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ