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好きだって気づいたとき

第10章 中学最後の夏休み

「知哉、気がついたか?」

「あれっ?遼太・・・
俺、どうして保健室にいるんだ?」

「覚えてないのか?」

「・・・あっ、吉田は?
もみ合ってたけど、職員室いけたか?」

「んっ?・・・う〜ん・・・」


遼太、何か言いづらそうだな。


「遼太、どうしたの?」

「・・・」


担任と、木村の担任が入ってきた。


「気がついたか?」

「あっ、はい」

「今、吉田のお母さんから連絡あって、吉田は右手首にヒビが入ったらしい」

「はい・・・」

「それと杉浦は、張本が止めに入ったから大したケガはしてないけど、お前みたいなやつが何でアイツらに関わったんだ?
あれだけ気をつけろと言ったのに・・・」


待って待って、全然言ってる事がわかんないんだけど。
俺は何をしたんだ?


「今日はこれで帰りなさい。
後日、ご両親と学校に来てもらう事になるから、それまでは大人しくしていなさい」

「はい」


遼太と一緒に保健室を出た。


「遼太、俺何しでかしたの」

「え〜と、それは・・・」


言いにくいほどの事を俺はしたのか?


「遼太、来いよ」

「・・・うん」


遼太を家に誘った。
いつもなら誘わなくても家に寄りたがる遼太が、今日は何だかノリが悪い。
部屋に入りカバンを置いた。
ベッドに座り、初めて彼女の部屋に行ったかのように、ドアの前で立ち尽くす遼太を隣に座るようにベッドをポンポンと叩いた。
下を向いたまま隣に座るように遼太。


「遼太、俺何したんだ?
何を言われても驚かないから・・・
言いきれないけど、頼むから教えてくれないか」

「・・・わかった。話すよ」







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