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変態センセイの愛人

第1章 久しぶりの恋





「ありがとうございました」


商品を袋に入れて客に手渡してから私は頭を下げた。


有村 菜月(アリムラ ナヅキ)、あと三ヶ月で三十歳を迎える女。ドラックストアの店員をしている。


毎日、毎日同じことの繰り返し。


仕事をして、家に帰って、ご飯を食べて、寝るとまた仕事。


クソつまらない毎日を過ごしている。


職場で話す人はパートのおばちゃんくらいしかいなくて刺激の“し”の字すらない。


男の社員がいたとしても既婚者だらけ。


結婚に繋がる恋愛をしたくても出会いがない。


接客をすれば色んな人に会えるから出会いがあると思ったけど、そんな甘い展開が仕事であると思っていた自分が馬鹿だった。


現実は甘くない。


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