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take a breather

第29章 TRAP

いつものようにアウターを脱いでキッチンへ入る

「翔ちゃん、ご飯よそって」

「は〜い」

大きめの皿を2枚出し、炊飯器からご飯をよそる

「智くん、ご飯の量これくらいでいい?」

智くんに皿を見せると、智くんは頷いた

「うん、いい」

その皿を智くんに渡し、自分の分をよそる

智くんがカレーをよそり終わった皿を受け取り、もう一つの皿を差し出した

「美味そうっ。こっちもお願いします」

「こんなんでいいの?」

智くんと同じくらいのご飯の量

「おかわりするから大丈夫」

「ははっ、そっか」

受け取った2つの皿を持ってリビングへ
背後から聞こえる智くんの声

「翔ちゃん、ビールでいい?」

「いい」

テーブルに皿を置いていつもの場所に座る

「はい、翔ちゃん」

「おっ、サンキュー」

向かい側に座った智くんから、差し出された缶ビールを受け取った

プルタブを開けて、智くんに向ける

「「お疲れさま」」

ビールをゴクゴクっとふたくちだけ飲んで、テーブルに置いた

今日のメインはカレーだから、ビールで腹を膨らますとおかわり出来なくなっちゃう

早速、楽しみにしていたカレーへ…

「いただきますっ」

「どうぞ召し上がれ」

微笑みを浮かべる智くん

スプーンで掬って口に運ぶ

「うまっ!」

「マジで?」

「マジで!めっちゃ美味いよ、このカレー
お店開けるんじゃない?」

「ははっ、翔ちゃんってば大袈裟〜
でも嬉しい、ありがと」

大袈裟じゃないくらい美味い
こんな美味いカレー作られたら、また食べたくなっちゃうよ

『胃袋を掴まれる』って、こういう事なんだろうなぁ…身をもって実感

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