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take a breather

第20章 I seek

〈N's eyes〉

「誰にも触らせたくない…」

真剣な表情でそう話す大野さん

はぁ…そこまでの独占欲発揮させといて
まだわからんかねぇ…

仕方ない…ヒント、ってか、もう答えか…

「権限を持てる立場ならわかるけど?」

「えっ⁉︎どんな立場なら『触らせるな』って言っていいんだ?」

「そんなこと言って許されるのは
恋人だけでしょ」

「こっ、恋人⁈」

大野さんが目を見開いて驚く

「そりゃそうでしょうよ…
触っちゃ駄目、触られるのも駄目なんて、嫉妬でしょ?
そんな嫉妬が許されるのは恋人以外にいないよ」

「いやっ!だって!俺と翔くんは単なる仕事仲間で!男同士で!」

「じゃあ聞くけど
俺が誰かに触られてます、で、大野さん俺に対して『触られてんじゃねぇよ』って思うの?」

大野さんは視線を伏せ、少し考えたのち答えた

「…思わない」

「じゃあなんで翔ちゃんには思うのよ」

「それは…」

「それは?」

「…特別だから」

「なにが特別?」

「なにがって…全部が特別…
メンバーのことはみんな好きだけど
翔くんだけは大好きだし」

「なんだ…答え出てるんじゃん」

「答え?」

大野さんが不思議そうに俺の顔を見る

「だから、『特別』な意味で『大好き』なんでしょ?
それって、仕事仲間とか男同士とか関係なく
櫻井翔って人間を自分だけのモノにしたい…
『恋人にしたい』って事じゃないの?」

「あ…」

ぼつんと呟いた大野さん…やっと自分の気持ち、理解出来ました?

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