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a faint

第13章 N-05


N’s eye

感情が昂(たかぶ)ってくると『は行』しか発せなくなる俺の可愛いオトコ。

始まりのキスは 深く浅くをねちっこく繰り返すのがお約束で ゆっくり味わって ゆっくり口唇を離せば

”ハァ…………”

肩を静かに上下させ 甘く濡れた息を零しながら 目を伏せるのが魅惑的。

微かに震える顎のラインを横目に 無防備にヒラヒラするシャツの裾から手を突っ込み 脇から上へ一息に手のひらをスライドさせれば

”ヒィ……ッ”

そのまま その手を前に回して 左胸の尖りをギュッと摘む。

”ヒァッ…”

か細い哀れな悲鳴と 荒い鼻息が混じって

”フッ………フゥゥ…”

健気になんとか踏ん張っていた両膝から カクンとチカラが抜け落ちる。

細っこい腰に腕を巻き付け 前屈みに崩れそうな身を 掬い上げながら 近くに寄った耳の縁へ舌先を這わせば

”ヘァ……ン”

気の抜けた甘いへなへな声を上げるから 此方人等(こちとら) もう堪らない。

脱力したふにゃふにゃの身体を コンクリート打ちっ放しの壁へ展翅(てんし)標本のように押し付け 下半身の着衣を 毟(むし)り取った。

胸の尖りを これでもかと云うくらい散々虐(いじ)めたくってた指を 今度は半開きの口へ突っ込み 舐(ねぶ)らせて ベトベトに濡れたソレを 丸いケツの間に グッと挿し込む。

仰け反り 湾曲する背骨のしなやかさを 目の端に入れながら 一本 二本 三本と五本の指を根元まで 飲み込ませていくと コンクリに爪を立て ガリガリを引っ掻く雑な音が 其処いらの壁に反響する。

蠢く狭い空間から 指五本を一気に引き抜き やわやわと緩んだ孔へ ファスナーを下げ 手早く寛(くつろ)げた前から突き出るカチカチに完勃ちなイチモツを 性急に打(ぶ)ち込んだ。

ヌチッムチッと粘膜を押し開き 全部収めて しばらく動かずにいれば

”…………………ホゥ”

中が落ち着き 馴染んだ合図の艶めいた吐息。

腰がユラユラと揺らめき 早く動けと催促するから 緩々(ゆるゆる)と緩慢な抜き差しを始めた途端 痩けた頬が不満げに プクと膨らんだ。

愛いヤツめ。

短くなった後ろ髪を指で梳いて 項に口づけると

”ハァ………………ン…”

『は行』が奏でる官能のハーモニーが耳に心地好い。

それでは 本格的に戴キマス そして ゴ馳走サマ。

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