
友達のままがいい
第5章 (過去)社会人
「もう飲んでるぅ~ずっる~い!なんで待っててくれなかったの??」
先に飲んでいる則ちゃんに悪態をつきながら大将にビールをお願いすると、大将はいつものように豪快に笑った。
「はははっ。フミちゃん。仕事終わりの男にビールを飲むなっていうのは酷な話だよ。フミちゃんだったら待てるかい?」
そう言われて考えれば当然待てない。
先に飲んでいるのは必須だ。
「無理だね」
簡単に答えを出すと則ちゃんもお腹をかかえて笑い出した。
「もう、そんなに笑わないでよ。恥ずかしい」
「いや。文香らしいというか…でも何か明るくなったな」
「そう?あまり変わらないと思うけど…とりあえず乾杯しよう!」
運ばれてきたビールを片手に乾杯をする。
そして冷え冷えの美味しいビールを半分以上飲み終えると、驚いている則ちゃんがいた。
