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友達のままがいい

第5章 (過去)社会人

あまりの衝撃的な言葉に、その後どうやって帰ったのか思いだせない。
ただ、慶介の言葉は正論で、その通りだと思わされた。
もし則ちゃんが結婚して奥さんと子供ができたら、そこに私の入る余地はない。
何かがあれば則ちゃんは奥さんに相談し、なにかがあれば奥さんに助けを求めて、私のことなんて則ちゃんの頭の中に浮かぶことさえないのかもしれない。
友達だったら傍にいられるというのは、私の幻想で甘い考え…
普通に考えたらわかるようなことなのに私は…
きっとふられるのが怖かったんだと思う。
則ちゃんは色々な人とつきあい、必ず終わりが訪れた。
私も慶介や康臣さんとつきあいはしたものの別れることになった。
則ちゃんとつきあっても別れてしまってそれっきりになるのが怖くて私は…友達でいいなんて言葉に逃げていただけ…
本当は…私…則ちゃんの恋人になりたかった。
本当の意味で傍で支えられる恋人同士に…
そう分かっても自分から動けなかった。
今更どういう顔で好きだと言えばいいの?もしフラれたら?…と思うと行動に起こすことができなかった。
そんなことを考えているときに則ちゃんから久し振りに飲もうと連絡がはいった。
今のこの気持ちを消化しきれなくて、どうしていいのかわからないけど…とにかく則ちゃんに会いたくて…会うことに決めた。

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