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友達のままがいい

第6章 未来

則ちゃんの言葉に我に返り、今まで快楽の中にいた私は一瞬にして現実に引き戻された。
そして、則ちゃんの腕をつかみ動きを止めようとする私に驚いていた。

「…イヤ…だった??」

不安そうな表情に伝えることはひとつしかない。

「…ごめん…無理……です」

「どうした?」

そっと手をスカートの中から出し、やさしく聞いてくる則ちゃんの瞳を見れなくて、両手で顔を隠し首を横に振る。

「文香…?」

髪を撫でながらやさしく聞く彼に涙が流れる。

「…顔を見せて…文香?」

手をはずそうとするけど、私はイヤイヤをして彼から逃げた。

「なぁ…文香…今まで待ったんだから文香がその気になるまで待ってもいいんだ…だけど理由が分からないとどうしたらいいのか分からない…」

ぎゅっと抱きしめてくれるそのぬくもりに私は安心する。
彼になら抱かれてもいいかもしれないと…
そう思っても踏ん切りがつかない。
抱かれるのが怖い…
知られてしまうのが怖い…
それを知られて嫌われたらどうしようと…
そう思ったら自然と彼を拒んでいた。

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