
友達のままがいい
第4章 (過去)高校生
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「一人って珍しいなぁ~…たまには一緒に帰るか」
いつも一緒の慶介がいない時、校門を出たあたりで則ちゃんとばったりあって一緒に帰ることにした。
「彼氏は?」
「用事があるってチャイムが鳴ると同時に帰ったと思うよ」
「そうなんだ…じゃないと一緒に帰れないか」
はははと笑う則ちゃんの言う通り、慶介がいると一緒に帰ることもない。
いつも一緒だから…
「それにしても文香と一緒に帰るの久しぶりだな…高校1年の時を思い出すよ」
そうかもしれない。
入学した当時はいつも一緒に帰っていた道を今ふたりで歩いて帰っていると不思議な感じがして笑みがこぼれる。
「そうだね。ずっと一緒だったもんね…懐かしい」
いつも慶介と帰る道も、たまに違う人と歩くと新鮮に感じて話も弾んだ。
色々な話をして昔話に花が咲き、時間の感覚が早く感じた。
