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友達のままがいい

第4章 (過去)高校生


「俺…このまま文香との仲を終わりにしたくない。最後の最後にならないと勇気だせなくて…背中押してもらって今日になった。けど、ずっと気になってた。本当にごめん。許してほしいなんて虫が良すぎるかもしれないけど…許してほし…何があっても俺の味方でいてくれた文香にこれから先も俺の理解者…友達でいてほしい」

則ちゃんの瞳から落ちた涙が土を湿らせて消えていく。
その涙が消えた跡を見ながら、ずっと同じ気持ちだと分かってうれしかった。
そして、これから先も理解者でいてほしいという言葉に胸が苦しくなる。
彼が求めるのは友達としての仲で恋人ではない。
だけど、私とずっと一緒にいたいと思ってくれてることがうれしかった。

友達だったら喧嘩してもこうやって仲直りができる。

友達だったら一生友達でいることができる。

友達だったら傍にいてあげることができる。

友達だったら……

だから、その時に決めた。

恋人になったらいつか別れがくる。
ならば、永遠に近くにいられる友達でいよう。
則ちゃんが友達でいてほしいというのなら、一生別れのない友達でいようと…

恋人になれないのはさみしいけれど、

友達でいいと…

友達がいいと…


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