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Kissシリーズ

第16章 秋のキス

いきなり…キスしてきた。

熱い唇から、熱が一気にわたしに移る。

一瞬にして、体が熱くなった。

「なっ…」

すぐに唇は離れたけれど、熱は唇に宿ったまま…。

「…お前の顔も、真っ赤だ」

「あっ当たり前でしょ!? …熱が移ったんだから」

そう言ってわたしは彼氏の胸に倒れ込んだ。

「おっおい! 大丈夫か?」

「も…死にそうよ」

心臓がありえないぐらい、バクバク高鳴っている。

キスをするのは何も今日がはじめてじゃない。

でも…今日みたいに、彼氏の方からこんなキスははじめて…。

「ごっごめん。でもキスしたくなったからさ。あんまり可愛かったから…」

…嬉しい。

やっぱり彼氏の声で言われると、とても嬉しい!

「うん…! ありがと」

「えっ、何でお礼…」

「もちろん、嬉しかったからよ」

わたしは顔を上げて、背伸びをして、彼氏にキスをした。

「…えっ、ええっ!」
彼氏の顔が、紅葉以上に真っ赤になった。

「ふふっ。可愛い」

わたしはそんな彼氏に微笑みかける。

「大好きよ」

「うっうん。僕も好きだよ」

「ううん。きっとわたしの方がもっと好き!」

「ええ~?」

戸惑った彼氏に、わたしは抱きついた。

「ずっともっと大好きよ!」

「~~~っ! あ~もうっ! 僕だって大好きだってば!」

強い力で抱き締め返され、熱がまた上がる。

季節は秋だけど、わたし達の熱はまだまだ冷めそうにない。


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