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Kissシリーズ

第24章 ワル男とのキス

「邪魔するぜ」

「ホッントに邪魔だっ! キサマっ!」

ビュッ!

「おっと。アブね」

私の投げたシャープペンが、ヤツの顔面に直撃する前に、キャッチされてしまった。

「ちぃっ!」

「…お前、本気だっただろ?」

「当たり前。本気で邪魔だと思っているからな」

私は深く息を吐いて、イスに座りなおした。

そして目の前のソファーを指さした。

「とりあえずそこに座れ。言いたいことがある」

「分かったよ。生徒会長」

異国との血が半分入ったヤツは、顔立ちも体も良くて、女子生徒に大変人気だ。

いつも女子生徒に囲まれている。

男子生徒達は悔しそうにしているが、ケンカも成績でも顔でも勝てないので、影で泣いている。

先生達もヤツの父親の権力が怖くて、小さくなってしまっている。

そんなヤツに唯一意見できるのは、何故か私だけ!

…ということになってしまっているので、先生達や生徒達(主に男子生徒)は、ヤツに何か言いたいことがある時は、私にそのことを伝え、私がヤツに伝えるという方法になってしまっている。

何てこった…。

いくら生徒会長でも、コレはないだろ?

「んで、今度は何だよ?」

「…お前、ナイトクラブでケンカしただろう?」

「ナイトクラブ? …う~ん。アレか?」

「思い当たるのか!」

「まあな」

そう言って肩を竦める。
「何でよりにもよって、ナイトクラブでケンカするんだ?」

「あっちからふっかけてきたんだよ。女のことでな」

…ヤツは顔立ちのせいで、よく男からケンカをふっかけられているのは知っていた。

理由はツレの女が、ヤツに夢中になってしまうから。

確かにヤツが悪いとは一言で言えないが…。

「それでもケンカせずに済む方法だってあるだろう?」

「メンドクせーんだよ。そういうの」

「私はお前のそういうところが、めんどくさい。こうやっていちいち呼び出す方の身にもなってくれ」

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