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Kissシリーズ

第31章 昔からのキス

「キミはイヤがらなかったし、ボクはしたかった。だから良かったじゃないか」

相変わらずあっさりと言いやがる…。

「あの、さ。ずっと聞きたかったんだが…」

「なに?」

「あの後も…今もだがキスをし続けているってことは、お前……わたしのことが好き、なのか?」

恐る恐る聞いてみた。

あの後、唇へのキスは好きな人にしかしないことを知った。

けれど直接、コイツに聞く勇気はなかった。

だけど今なら…。

「はぁ…」

意気込んで聞いてみたものの、アイツは呆れた顔でため息をついただけだった。

「なっ!? 違うのか?」

「―違わない。と言うか、今頃気付いたのにビックリしただけ」

…お前の驚き方は、そうなのか。

「まあどん臭いキミにハッキリと言わなかったボクもいけないね」

そう言って、わたしを真っ直ぐに見つめてきた。

「好きだよ。キミ以外のヤツとキスなんてしたくないと思うほどに」

「…何だか複雑な気分になるのは何故だ?」

嬉しいはずなのに、言葉のチョイスがおかしい。

「だって本当にそう思うんだもの。だからこそ、昔からキミにキスしてたんだ」

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