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でも、愛してる

第7章 7

 土曜日に、涼と久美に会った。
 三人で会うのは、半年ぶりだ。
 三人は、高校生のときからの、仲良しだ。
 涼は、もう主婦である。久美は、中学校の教師をしている。
 涼とは、ときどき会っているが、久美は忙しくて、なかなか会えない。
 だから、会ったときは、いっぱい話す。いろんなことを。
 「萌絵、
  恋をしているんだって?」
 「うん」
 「どんな人なの?」
 「バイト先の、塾の経営者」
 「じゃなくて、
  どんな、性格の人なの?」
 「とっても、優しい人」
 「どんなふうに?」
 「なんでも、
  萌絵ちゃんが一番と、言ってくれるの」
 「いいなぁ。
  羨ましいなぁ。」
 「ほんとに、優しい人みたいね」
 「泊まったりするの?」
 「うん」
 「泊まったときは、もちろん愛しあうんでしょう?」
 「うん」
 「そこ、聞きたい」
 「あたしも聞きたい」
 「うーん。
  恥ずかしいな」
 「こら!
  もったいぶるな」
 「あのね…
  気持ちよくしてくれるの」
 「もっと、具体的に言いなさい」
「えーっ。
  あのね…
  からだ中、キスしてくれるの」
 「うわぁー!
  あそこも?」
 「うん。
  それでね…
  足の指まで、してくれるの」
 「うわぁー!」
 「それでね…
  わたしね…
  …」
 「なによ、
  言いなさいよ」
 「あのね…
  わたしね…
  泣いちゃうの…」
 「えっ?
  つらくて?」
 「ううん、
  気持ちよすぎて」
 「キスされて?」
 「ううん、
  彼が、入ってくれてから」
 「いつも?」
 「うん、
  このごろは」 
「いいなぁ!
  あたしも、そんな愛され方をされてみたい」
 「それでね…」
 「まだ、何かあるの?」
 「恥ずかしいなぁ~」

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