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でも、愛してる

第7章 7

 「そこまで言って、
  いまさら」
 「あのね…
  わたしが泣いているのに、
  やめないのよ。
  動きつづけるの」
 「萌絵は、
  やめてほしいの?」
 「ううん」
 「そりゃあ、そうでしょう。
  女なら、だれでも、
  そこでやめてほしいとは、思わないよ」
 「ずっと、動いてくれるの?」
 「うん。
  でも、ゆっくりゆっくりなのよ」
 「ゆっくり?」
 「うん。
  だけど、それがほんとに気持ちいいの」
 「ゆっくりなのに?」
 「うん。
  ゆっくりだからかもしれないわ。
  すこし焦れったく思うのが、
  たまらなく、気持ちいいの」
 「萌絵、
  あんた、
  ずいぶん、エッチになったね」
 「そうかなぁ~」
 「そりゃあ、
  そんなに気持ちよくしてもらえたら、
  エッチにもなるわよね~」
 「しらない」
 「うふふ」
 「それでね…
  あのね…
  ゆっくりゆっくり動きながら、
  おっぱいや耳にキスしてくるの。
  ひどい人」 
 「おいおい。
  ひどい人と言いながら、
  顔が赤くなっているよ」
 「だって~」
 「あれっ。
  萌絵。
  泣いているの?」
 「泣いてないわ」
 「でも、涙が出ているよ」
 「思い出したら、
  たまらなくなってきちゃったの…」
「思い出しただけで?
  よっぽど、気持ちよくなるんだね」
 「うん。
  もう、どうしていいかわからなくなってしまうくらい…」
 「うわぁー!」
 「萌絵、
  この、幸せ者!」
 「それでね、
  彼がね、
  わたしが、そんなに、気持ちよくなれるのは、
  わたしたちは、ほんとに相性がいいんだろうねって言うの」
 「萌絵、
  そんな人、めったにいないわよ」
 「あたしも、そう思うよ」
「わたしも、そう思っているわ」
 「あっちゃあー、
  惚気ているよ、
  このひと!」

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