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ソレは、そっと降り積もる・・・。

第11章  初恋の暴走

  


 絶頂を与え続けた彼女は、虚ろな目をして肩で息をしている。そんな彼女に囁いた。


「はは、訊こえていないか・・・」


「もっ、・・・・・・許し・・・・・・・・・っ」


 うわ言のように口にする彼女の髪を撫でる。


「風呂に入れてやるから。もう少し・・・付き合え。」


 彼女の身体が限界なのは、判っていたしかし後れ馳せながらの〝初恋〟に浮かれていたのだ。浮かれるなと、言う方が無理なのだ。
 本当にこんなにも胸焦がれたことなどない。どれだけ貪っても満たされない。
 まるで〝思春期〟の子どもだ。〝本気の恋〟がこんなにも自分の知らない自分と出逢うものかと・・・驚いている。
 彼女を見れば触れたくなり。触れたらその次が欲しくなり。その次を貰えたら・・・・・・貪り尽くしたくなる。

 身体を抱き起こしてその辺にある布を彼女に掛けて部屋を出る。


  

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