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ソレは、そっと降り積もる・・・。

第13章  見知らぬ狂気

  


「あっ・・・・・・はあぁーはあぁー・・・ッ」


「これで終わりだ。」


 息を懸命に吸い込んでいる彼女の髪を撫でる。ビクッと身体を小さく震わせる。


「ゆっくり休め。続きは、また今夜な。」


 惚けている彼女をベッドに寝かせて着替えを済ませて部屋を出た。


「意外と、時間を食わなかったな。」


 時計を見ると仕事に十分間に合う時刻だった。


 》 》 *


「珱月さま、お着替えです。」


「ありがとう、マリー。」


 バスタブから出てタオルを巻くとちょうどメイドが着替えを届けてくれた。彼との濃厚な朝を迎えてから2度寝をしてしまい気が付くとお昼になろうとしている時間だった。
 思えば日本に居た頃こんなにゆっくり出来たのは、貧乏になる前だった。こちらの生活に早くも身体は、慣れてしまったのか・・・。


  

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