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ソレは、そっと降り積もる・・・。

第13章  見知らぬ狂気

  


「ねぇ、マリー。」


「はい、珱月さま。」


「なんの騒ぎ?」


 防音設計のバスルームにまで声が訊こえる。


「様子を見て参ります。珱月さまは、お早くお着替えを。」


「ええ、判ったわ。」


 メイドが出て行ったあと〝なにが〟あるか判らないので素早く着替えを済ませて部屋に戻った。

 》 *

「ロイさま。なにかありましたか?大きな声が・・・・・・」


「マリー。ここは、いいですから珱月さまをお願いしますね。」


「お、客さま・・・ですか?」


「大丈夫です。追い払いますから。あなたは、珱月さまの傍に居て下さい。」


「わ、判りました。」


「ふう・・・・・・」


 メイドが走り去るのを確認してドアに視線を向ける。


「ここは、公爵家の屋敷です。なに用ですか?」


「急病人が居るんです。どうか、お助けをっ」


  

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