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ソレは、そっと降り積もる・・・。

第13章  見知らぬ狂気

  


 いつの間に。本当にいつの間に入ったのかメイドが見知らぬ男の腕の中に居る。


「逃げてっ。逃げてっ、下さいっ・・・・・・珱月さ・・・ン゛ッ!!」


「マリーッ!!」


 男の手がメイドのノドを強く押さえている。


「騒ぐとお互いの為にならないぜ。
 アンタが騒いだらメイドを殺す。お前が騒いだら〝黒髪の乙女〟を殺す。
 判ったか?お互い、静かに出来るよな?」


「「は、い・・・・・・ッ」」


 ナイフを持つ大柄の男の言うことを訊かないわけには、いかない。


「よし、いい返事だな。まず、メイドの手を後ろで縛れ。」


「え・・・」


「早くしろっ!!」


「は、はい。」


 投げ付けられた紐で言われるがままにメイドを縛る。


「口を塞げ。」


 言われたとおりにハンカチを噛ませた。



 そっと、忍び込む感情は・・・・・・


  

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