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ソレは、そっと降り積もる・・・。

第19章  上流階級の仕来り

  


「〝襲ったら〟、なにかイケませんでしたか?」


 そんなことくらいで慌てている女に返してやる。


「〝イケませんでしたか〟って、あなたっ!私たちは、由緒正しい家柄なのよ。人を襲うだなんて。」


「ふふ。お義母さまって面白い。」


 公爵家の嫁なのに正論を言ってくる姿が滑稽だった。


「なにを、笑っているの?」


「皆さん、相手を蹴落とすためなら・・・〝なんでも〟していますよお義母さま。そう、〝なんでも〟・・・ね。」


「っ?!!」


 にっこりと笑って教えてあげると顔色が変わった。


「あなた方は、私を選んだのです。私も選ばれたからには、きちんと体面を守らせて頂きます。しかし・・・私は、没落寸前の伯爵家の者ですから。裏で手を回さないと・・・イケないこともたくさんあります。
 お義母さま、一緒にジュリアスさまを守りましょうね。」


  

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