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ソレは、そっと降り積もる・・・。

第22章  マリーゴールドは、静かに・・・

  


 しかし大半が余所に愛人《オモイビト》を作る。そうして幸か不幸か子が生まれてしまう。生まれてしまえば家の子として迎え入れるより他にない。
 正妻は、笑顔で〝物判りのいいフリ〟をして受け入れる。それが役目だし騒ぎ立てれば側室に足下を見られる。
 それで刃傷《ニンジョウ》沙汰になった貴族も居た。しかしそれでもなにも変わらないのだ。
 大切にされる正妻など数えるほども居るかどうか・・・だ。


「さぁ・・・無駄話しは、ここまで致しましょう。」


 立ち上がって紅茶を全て口に含んで彼の前に立つ。


「(あなたを、帰したりしません。私がどんな女なのかを、ご存じだったハズでしょうに・・・)んっ。」


「っ、(しまっ・・・・・・)!!」


 口に含んだ紅茶を全て彼に飲ませた。咄嗟のことに彼でも抵抗出来ずに飲み込んだ。


  

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