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ソレは、そっと降り積もる・・・。

第22章  マリーゴールドは、静かに・・・

  


「っ、なにをっ・・・!!」


「強情なお方。私が正攻法でお相手するとでも?」


 彼が額を押さえて前のめりに床に倒れた。


「いいことをお教えしますわね、ジュリアスさま。
〝王さまを造るのは、家臣たち〟ですよ。」


 倒れて意識を失った彼を見つめながら囁いた。


 》》 *


「あの、いま旦那さまも執事も出ていますので申し訳ないのですが訪問は、ご遠慮下さい。」


「マリー。どなたかお客さま?」


 夕暮時にいったい誰であろうかと思いながらメイドに声を掛けた。


「珱月さま!ダメです。ロイさまに怒られます。」


「でも、その肝心のロイさんが居ないじゃないの。どちらさま?」


「それは・・・・・・」


 メイドが渋るのでインターフォンの応答のボタンを押す。


「どちらさまですか?」


「こんにちは、〝黒髪の乙女〟。」


  

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