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ソレは、そっと降り積もる・・・。

第23章   宿り木の下で偽りの口付けを

  


 まさか本人がお出ましだとは、思いもしなかった。しかしこうして目の前にしてみると育ちの良さがよく判る。
 品のいい服装に身のこなし。お茶を飲む仕草一つも優雅と言える。


「それで・・・ジュリアスさんがそちらでお休み、とは?」


「ああ、そうね。その話しを先にしなくてはね。」


 そう言って彼女がガサゴソと荷物の中から小さなビデオカメラ取り出してテーブルに置いた。


「あの、これ・・・は?」


「この中に答えが入っているから持って来たのよ。ご覧になる?」


「は、い・・・」


 中身がなんなのかが不安ではあったが見ないことには、始まらない気がして頷いてしまった。


「あなたは、案外と気概《キガイ》があるのね。」


「え?」


「普通は、私を追い返したり2人きりになんてならないわ。あなたを少し見誤っていたかも知れないわね。」


  

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