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ソレは、そっと降り積もる・・・。

第24章  チューベローズ

  


「な、に・・・・・・?」


「伯爵家の執事が無礼ですよ!!」


「あい、すみません。しかし忘れられては、困りますので。」


「ジュリアスさま。相手にすることは、ありません!参りましょう。」


 執事がグイグイと腕を引っ張ってくる。しかし記憶が定かでない。肯定も否定も出来ない。


「私は、本当にジュリアスさまとミエリアさまがご結婚なさるのが楽しみなのです。」


「お前は・・・・・・〝なにを〟言っているんだ?」


 執事の言葉の真意が全く判らない。


「私の大切なお嬢さま・・・ミエリアさまは、最初の結婚がお辛かったですから今度こそ胸を張って生きられる嫁ぎ先に発って頂きたいのです。それが執事としての願いです。
 どうか情を交わしたのですから、見捨てないで下さい。お願い致します。」


  

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