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ソレは、そっと降り積もる・・・。

第25章   想い合うと云うこと

  


「ハジェス。ねぇ、ハジェスったら。」


「ん・・・・・・、んん??」


「もう、こんな所でうたた寝なんかして。皆が執務室から戻らないって心配していたわ。」


 目覚めると目の前には、妻が立っていた。


「戻ったのか、レオノール!!」


「はい??なにを訳の判らないことを言っているの。」


「えっ、だってお前・・・意識が・・・・・・」


 そう言い掛けてハッとした。白昼夢のような感覚。そうしてそうまでして意識下に語り掛けてきたのは、〝危機の知らせ〟。
 伝説の通りに〝黒髪の乙女〟が助言にやって来た。これは、偶然か・・・必然か・・・・・・。


「ちょっと、押し黙ってどうしたの?」


「いいや。国王としては、イイ夢を視た。」


「なんなの、ソレは。」


「本当に吉夢だ。
(〝黒髪の乙女〟・・・大丈夫。君を泣かせたりしない。)」


  

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