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ソレは、そっと降り積もる・・・。

第26章   ヒナギクの禁忌

  


「〝知らないわ〟って・・・相変わらずスーパードライだな、おい。」


「じゃあ、なんて言えばいいの?私は、お願いしただけよ。そうしたら相手がその通りに動いたわ。それが〝私の所為〟になるの?
 私は、〝お願い〟しただけよ。訊くか訊かないか。行動に移すか移さないかまでは、責任取れないわ。」


 下らない問答に付き合いながらガウンを羽織ってベッドを降りる。


「お前、本当にアイツと結婚・・・すんのかよ。」


「ええ、そうよ・・・〝お義兄さま〟。」


「そうかよ。」


「〝妬けちゃう〟?」


 男の傍に寄って問いかける。


「お前・・・タチ悪いぞ。」


「ふふ、それでも・・・私が欲しいでしょ?」


「このっ、性悪っ!!」


「ふふ、お義兄さまもね。」


 抱き上げられベッドに戻されても笑って受け流す。


  

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