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ソレは、そっと降り積もる・・・。

第29章   愛を注ぐ

  


 下半身の反応に気が付かれたのかと一瞬焦る。


「制服の上着って意外と重たいんですね。」


「ああ。紋章や勲章がやたらと付いているからな。」


 焦ったのを隠しながら答えた。


「そうなんですね。勲章とか見たの初めてです。」


「そうだったのか。もっと見るか?」


「いいんですか?大事な物じゃ・・・・・・」


「俺の持ち物に興味を持ってくれたのは、初めてだな。嬉しいぞ。」


「っ・・・」


「どうした?」


 急に俯いた彼女が気になる。


「ジュリアスさんは、無駄に綺麗なんですから・・・不意打ちで笑い掛けないで下さい。本当に困ります。」


「はは・・・」


「笑いごとじゃありません。」


 俯いたまま可愛いことを言う彼女に限界だ。


「そんなことを言ったら珱月だって困りものだぞ。」


  

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