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ソレは、そっと降り積もる・・・。

第7章   婚約のお墨付き

  


「よく来た、ジュリアス。」


「いらっしゃい、ジュリアス。それに・・・可愛らしいお嬢さんも。」


「お時間を作って頂きましてありがとうございます。王さま・王妃さま。」


 礼儀正しく彼が国王夫妻に挨拶する。


「相変わらず堅苦しい奴だな。挨拶は、いいから婚約者殿を紹介してくれ。」


「はい。さぁ、こちらへ。」


 呼ばれて彼より前に出された。


「名前を。」


「珱月《エル》・・・と、言います。」


 緊張していた割には、スムーズに名前を言えた気がする。


「〝エル〟・・・・・・綺麗な、名だな。」


「ニホン語では、どう書くのですか?」


「〝珱月〟と、書きます。」


「やはり〝漢字〟と言うのは、難しいモノなのね。でも私の妹になるのですもの、きちんと〝珱、月〟と覚えますわ。」


「い、妹・・・・・・??」


  

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