テキストサイズ

ソレは、そっと降り積もる・・・。

第7章   婚約のお墨付き

  


 王妃の言葉にさすがに驚いて声が裏返る。


「レオノールさま。あまり婚約者殿をからかわないでいただけますか。」


「からかってなど、いないわ。あなたと王さまは、兄弟同然の仲ですもの。そんなあなたと結婚したら珱月は、私の妹よ。
 嬉しいわぁ。兄上と弟しか居なかったんだもの。」


「よかったなぁ、レオノール。」


「ええ。さぁ・・・私は、珱月を連れて採寸へ行って来るから殿方は殿方同士で愉しんで。」


「ああ、判ったよ。珱月。うちの妻を宜しくね。」


「へ、えっ??」


 いつの間にか手を握られていた。


「珱月。レオノールさまにお任せして。」


「は、はい・・・。」


 引きずられるように部屋を出された。


「〝黒髪の乙女〟とは、考えたな・・・ジュリアス。」


「滅相もありません。彼女の国は、基本的に〝黒髪〟が主流ですよ。」


  

ストーリーメニュー

TOPTOPへ