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ソレは、そっと降り積もる・・・。

第1章   最悪の出逢い

  


 話しが全く見えない。


「とにかく、帰って下さい。」

「娘は、そんな異国に嫁がせません!!」


「本日は、急でしたから日を改めさせて頂きます。」


「・・・あ。」


 両親が〝誰か〟を追い返している声がする。


「何度来られても気持ちは、変わりません。」

「見初めたとかなんとか仰っていましたけど、娘を渡す気などありません。」


「我が国の仕来《シキタ》りに従って求婚のご挨拶をしたまでです。不快に思われたのなら申し訳ありません。」


「ジェイド、お暇するぞ。」


「ジュリアス、さま・・・」


「珱月っ!!」


 振り返ると部下の腕の中で青ざめて倒れている彼女の姿があった。


「いったい、どうした?」


「それが急にお倒れに。」


「すぐにホテルへ・・・」


「はい。」


「待って下さい。」

「娘をどこへ連れて行くんですかっ!!」


  

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