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ソレは、そっと降り積もる・・・。

第9章  夫婦になる前に営みを・・・

  


 気を引き締めて仕事に戻る。


 》 》 *


「本当なの?」

「本当よっ!!アンナとビビが中庭で逢ったときに〝フィアンセ〟って紹介されたって。」

「有り得ないわ。だって、〝ミエリア〟との婚約話しが・・・っ!!」


「皆さん、ご機嫌よう。今日は、ずいぶんと賑やかなサロンですこと。」


 その場の空気が彼女の登場で凍ったのは、言うまでもない。


「ミエリアさん・・・ご機嫌よう。」


「皆さん、なにをそんなに噂されていたの?」


「なんでもないんです。王宮の中庭で久しぶりにジュリアスさまにお目に掛かれたと言うだけですわ。」

「ええ、そうなんです。相変わらず麗しかったですわ。」


「ふふ、嘘がお上手ですこと。それで?本当は、なんのお話しでしたのアンナさん。」


 それは、狙った獲物を逃さぬ眼だった。



 高貴な針は、高貴な糸しか通さない。


  

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