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ソレは、そっと降り積もる・・・。

第10章  〝愛〟が在りますか?

  


 サロンで今日も異彩を放つのは、伯爵令嬢・ミエリア。彼女は、18歳にして1度結婚している。相手は、同じ伯爵の位を持つ相手だったが相手方の父親の失脚により離縁となった。
 こうして戻ってきたミエリアは、サロンで〝女王〟として君臨することになった。
 2度目の相手ももちろん〝政略結婚〟である。しかし今度は、格が違う。その辺の男では、ない。
 いま、〝王さまの次に偉い〟と言い触らしてもいい程の男だ。

 予てより打診があったのだがここ最近向こうの家から〝結納品〟が届くようになって両親は、〝離縁したのに〟と大喜びだ。もちろん格の高い相手が再婚相手など願ってもない話しだ。

 後ろ指を指されなくて済むのだから。


「質問が訊こえないのかしら?なんの噂話しをしていたの?」


「それ、は・・・・・・」


 言えるハズもない。いまやこの世の春とも言える状態の彼女に。


  

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