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キミの事を取り戻せるなら

第9章 エレベーターで!?

リン「ノイちょっと、美花を頼んでいい?」
ノイ「いいよ。」
リンが、めずらしくキレてるじゃん。
ノイ「美花、なんか飲む?」
美花は首を横に振る。
この子は、なんでも自分のせいじゃないのか?って思っちゃうのな。
誰かのせいにしたっていいのに・・・今まで、どのくらい傷付いてきたんだろうな。
でも俺達の最初の態度は、かなり傷付けたかもしれないな。
実際、女の子がメンバーで加わるからって聞いた時、正直うざいって思ったのは確かで、女の子ってわがままだし、すぐ泣くし、うるせぇしって、すげぇ事務所に文句言ったけど結局さ推しきられた感じで入ってきたけど、俺達は喋る気が全然ないし、美花もなにも喋らなかったな。あっ挨拶はちゃんとしてくれてたけど、俺達は無視してた。
だから、あの暴力事件もなかなか気付かなくて、結局あの時、美花が倒れるまで知らなくて、後から聞いた俺達は、こんなになるまで気付かないって、どんだけ最低なんだって反省以上の猛省してた。しかも美花は、自分に暗示をかけて頑張ってるって知った時の俺達の今までの態度!!
だから、できるだけ美花に対して、してあげる事があるかって思ってた矢先にシェアハウスで住む事を提案して、徐々に慣れていってくれたらって思ってた時に、あの振り付けの先生からのセクハラと個人レッスンの強姦未遂。
あの時、偶然か必然か事務所に行ってレッスンを見に行ってなかったらって思うと今でも胸が苦しくなるよ。
あの時の悲鳴と涙、過呼吸に美花がどれだけ苦しかったかリオはわかってない。
いくら暗闇を怖がっていたからって、抱きしめてキスされたら、怖くて抵抗できないはず。
美花が、そういう事をされるのが“初めて”って言ったからって、それを受け入れたわけじゃない。
男の身勝手な気持ちと行動で、そんな事をされるって言う事は、暗闇でパニックになってる美花に追い打ちを掛けたのと同じだよ。
あの強姦未遂から、まだ経っていないのに美花は全部、自分のせいにして自分を追い詰めて・・・。
今だって俺にずっと謝り続けてる。
美花「私のせいで、み、皆さんに、迷惑か、かけてばかりで、すいません。私、辞め・・・ます。」
ノイ「美花、辞めなくても大丈夫だから!!」
リン、早く帰って来いよぉ。
その時、ノックがして扉を開けると
リン「美花ごめんな。リオには、きつ~く言っておいたから。」

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