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君を乗せた空

第2章 SIDE‐MITSURU

「先生なら、きっと、溝口から相談されてるでしょうねぇ?」
「…何を、でしょう?」
けして目を合わせようとしない佐々木の横で、僕は、とても美味しいワインを味わいながら、じっとりと、話し続ける。

「おやおや、しらばっくれちゃって。
溝口の兄貴のことですよ…県立M高の秀才の癖に、妹を毎晩頂いちゃってる、酷い兄貴の話。」
「…え?」
佐々木の表情が、驚愕に染まる。
やはり、知らなかったのだな…僕はほくそ笑む。

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